As London as possible

ロンドン駐在生活を200%楽しむ

Lovely City London (Temple編)

ロンドンの中心地にTempleという場所がある。駅名を初めて見て「寺?!」と思ったが、騎士修道会である「Temple騎士団」に由来するものと後にわかった。騎士団が建てたTemple教会は、その後法曹界の建物として活用され、そしてこの地区は法曹界の関連の街と化していった。

 

歴史あるこの街は、探検に最適だ。

 

かの名言「ロンドンに飽きた者は人生に飽きた者だ  “You find no man, at all intellectual, who is willing to leave London. Sir, when a man is tired of London, he is tired of life; for there is in London all that life can afford.”」を残したSamuel Johnsonは18世紀に近代英語辞典を作成した人だ。ユーモラスでいつも社交界の中心にいたという。Templeには彼の住居がまだ残っており、またその近くには可愛がっていたという猫の像までもある。猫に与えていたという牡蠣までブロンズ像の一味になっているが、やれやれ、グルメな猫だ。

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Templeには他にも、私も日本でよく飲んだ紅茶のTwiningの創業以来の店舗もある。Thomas TwiningがTom's Coffee Houseをこの地区で始め、次に紅茶専門店を初めたことがきっかけ。上流階級向けに特別にブレンドされていた高価な紅茶も、関税引き下げや人気爆発によって、こうして今日のように誰もが楽しめる飲み物に変わった。

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ここの店舗では紅茶のマスタークラスを開催しており、更に、オリジナルのブレンドをさせてくれる。2年前に私もオリジナルのブレンドティーを作りに行った。お店で「これは渾身の出来!」と思っても、オフィスや自宅で飲むと、「あれ?パンチがないな」と印象が変わったのが不思議。どの場面で飲んでもぶれないおいしさである点もきっとプロのコツなのであろう。

 

 

Fleet Street沿いに東に進むと、Ye Olde Cheshire Cheeseというパブがある。これまた目立たない細い路地を入ったところにある。ここは1538年創業でCharles DickensやMark Twainも通ったという歴史あるお店だ。昔も今も人々はここで”水飲み” (Watering-hole、この英単語、私のツボ。動物の水飲み場をさしているのに、気楽なバーのことも指すらしい)しているのだな。

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これらのエリアを探検に行ってみてわかった。路地、謎の扉、狭い曲がりくねった道を入ったあとに、中庭が突如現れ・・・と、この街は歴史と秘密のにおいがプンプンする。"C"の期間中、観光客がいなく静かなTempleをゆっくり回ることが出来た。建物の色、石、煉瓦、苔をじっくり見たり、狭い路地に吹き込む風を受けたり、五感で歴史の流れを感じられた貴重な経験だった。