As London as possible

ロンドン駐在生活を200%楽しむ

秋から冬へ

会社の泊まりこみのイベント、そして今週の出張で、あまりLondonにいなかったここ最近。

 

今日はゆっくりしようと思ってふと街に繰り出したら、何時の間に秋は終わりかけていて驚いた。

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Hyde Parkもすっかり色付き、絵に描いたような「Autumn in London」

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街はライトアップの飾り付けが進んでいて、既にキラキラ輝いているところもあれば、クレーンに登ってこれから設置しているところもある。

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こちらはモーツァルトが一時期住んでいたエリアで、彼の銅像もある。

 

目玉のOxford Circusのライトアップも今日から。これから街中がクリスマス一色で、人々の前向きなエネルギーを感じられるのが、楽しみだ。

20か月ぶりの出張

"C"勃発前、最後の出張は2020年2月だった。

それ以降、我々は在宅勤務を始め、オンライン会議をNew Normalとして始めた。初めはITの問題があったが、徐々に慣れてきて、朝から晩までオンライン会議が当たり前になった。その方がいっそ効率的だとも思えていた中、遂に20か月ぶりに英国外での面談を行ってきたのだ。

 

Face to faceの面談を改めて実施してみてわかったのは、

1.表情や息遣いが示す相手の感情

2.出張形式で初めて可能となる、相手と長い時間共にすることで見えてくる本心

3.相手先のオフィスに訪れることで、短時間で多くの人と話せること

であり、オンライン会議は所詮暫定的なSolutionなのだ。

 

また、出張期間中時間を共にしてもらうことで、相手のCommitmentを引き出すことが可能となる。オンライン会議では、「次の会議があるから」と言ってさっといなくなってしまうことがあり、消化不良感があるが、物理的に一緒にいる以上相手を離さないことが出来る。更に、複数の人間と一度に腹を割って話せるので、相手の会社の方向性を多角的に捉えることも出来るのだ。

 

正直言って、Face to Face面談が出来たこの20か月ぶりの出張は、私の人生において記憶に残るものとなったと思う。

 

奇しくもこの出張の1週間前に行った、ロンドンの部署でのTeam Building Eventも刺激を与えてくれた。国連会議か、というぐらい他国籍の多様なBackgroundのメンバーに恵まれていることに気づかされたのだ。そして、様々な仲間と接する中で、浮かび上がってきたのが外から見た日本人の特徴だ。あくまで私の意見だが、日本人は英語がペラペラではない人が多いし、人と繋がるのが他の国の人間に比べて苦手。大雑把な言い方だが、「日本人は計算や分析が得意だが、寡黙で何考えているかよくわからない人が多い」と同僚から言われたこともある。

 

個性を否定するつもりはないが、ありのままの延長ではなく、自分たちの長所短所を理解した上で意識的に取り組まなくては、国際的なレベルの仕事は出来ない。ましてや極東島国の日本は、大陸続きの国々に比べ物理的にも、そして文化的理解にもハンデがあるのは当然。足繫く相手のいる場所へ運び、積極的に対話を続けるんだ、というMindsetを200%持って取り組む必要があると痛感した。

 

出張は骨が折れる。が、簡単に手に入れられるものは、簡単に手からすり抜けていくものだ。汗をかくというのは、こういうことか。

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Guy Fawkes Night

イギリスではハロウィンの季節は別の独自のイベントを楽しむ。ガイフォークスナイトだ。1605年にウェストミンスター宮殿爆破計画が阻止されたことを焚き火で祝った出来事があり、それ以来11月5日にGuy Fawkes NightやBonfire Nightと名にてお祝いをするようになった。


昨日はBattersea ParkのBonfire 花火大会に行ってきた。20時から30分だけではあるが、楽しみにしてきたイベントだ。

 


音楽やライトと合わせてひんやりとした秋の夜空に打ち上げられる花火は、日本で真夏に土手に座って焼きとうもろこし片手に見るものとは雰囲気が違う。すぐ目の前で上げられていて迫力満点。もちろんBonfireなだけに焚き火もある。

 


去年Cのせいで中止となったあとでの満を持しての開催もあってか、チケットは完売。当日は黒山な人だかり、人、人!荷物チェックやチケットチェックのレーンもあったが、開始時刻も近づき、東京の満員電車並みの混雑となったからか、途中から「Go go go!」とほぼノールックで入れてくれた…イギリスのそういうところ好き笑

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HappyやWonderful Worldなど、前向きな曲ばかりで、思い思いに踊ったり、歌ったり。短い時間ながらも、会場全体が嬉しさいっぱいに包まれた楽しい会となった。

Pub とは

イギリスと言えばPub。Pubといえばイギリスだ。

 

Public Roomが転じてPubになったそうだが、おそらくイギリス国民の最も愛する場所であろう。コロナの規制が始まったときも、首相会見で「Pub, Bar, Restaurant, Cafe will be closed....」という具合に、人々の集う場所としてレストランやカフェとは違うものとして例示されていたほどだ。真っ先にコロナの規制が解除になった途端、朝一番にPubの開店と同時に飛び込む人が報道されていたのが懐かしい。

 

ご近所の友人と合流してほくほく顔で吸い込まれていく場所。朝から新聞を読みに行く場所。football (注意 soccerではない) を見る場所。子供とサンデーロースト(日曜日はローストチキン、ポーク、ビーフ・・・等ロースト料理を食べる風習)を食べる場所。常連同士で談笑する場所。City周辺で平日16時ぐらいから金融業界の人間が歩道にバックを置いて、お店の通りの脇で立って飲む場所。

 

日本の文化でぴたりと当てはまるものがないのだが、強いていえば、地元の居酒屋だろうか。ただ、居酒屋というと夜の世界だが、Pubはもう少し「みんなのおうち」感覚だ。お花で入口を飾り、ふかふかのソファーや暖炉で温まりながら、美味しいロースト料理やパイを食べるとほっこりする。

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こちらに来て間もない頃は、周りが中毒的にpub pub言うことに「なんでそこまで好きなの??」と思っていたが、同僚と「今日Pub行くひとー?」「次の会議はNational drinking instituteに場所を移してやろう」なんて言うようになって、自分も少し染まったかなとニヤリとしている。

 

今日はJazzの生演奏を聴けるpubに行ってきた。雨上がりの眩しい午後、サンデーローストと共に。

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常連のお年寄りのグループが最前列で盛り上がっていて、その温かい雰囲気が心地よい。お客さん同士は知り合いが多いようで、よー!と話し掛け合っていた。私も「君は確かドラムやってるよね?」とすれ違いざまに言われた。ん?人違いかな…?

 

旅先でも必ず行くのがPub。ローカルのビールとその土地の料理の組み合わせは最高だ。

 

パブ開拓の道は止まらない。

 

David Bowie fascinating me

Strange fascination, fascinating me

www.youtube.com

 

二十歳のときだった、イギリス人作家のGeorge Orwellの「1984」に感銘を受け、今までの自分の考え方の根本を改めたのは。ほぼ同時期にDavid Bowieの音楽にも興味を抱くようになった。「もっと自由に、もっと大胆に」というMottoを生み出し、確固たる「個」を作る意思をくれた彼の作品は、今でも私にとって大切な存在だ。

 

David Bowieの生誕75周年を迎える今年、London Heddon Streetに期間限定のPop up shopが出来た!Heddon StreetはアルバムZiggy Stardustの表紙を飾った場所である。10月25日オープンなので、早速行ってみた。

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店内では音楽とムービーが流れ、記念Tシャツから、レコード、パズル、バッグ、等が販売されている。地下の部屋には360度スピーカーが設置されていて、ライブの臨場感が再現されている。

 

「DJ」のプロモを模したブースもあり、なにきり写真も撮って貰えた。

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2022年カレンダーと額入りアルバムジャケット写真をお土産に。

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イギリスの空気に触れながら、秋の夜長に、David Bowieの曲を聴き直してみようと思う。

 

Yorkshire Dales 探検

イギリスにはNational Parkや AONB (Areas of Outstanding Natural Beauty、特別自然美観地域)などなど、自然保護地域が多々ある。

 

例えば、ロンドンから南に1時間ほどの所にあるAONBのSurrey Hillsは、天国に通じているのかと思うぐらい、牛の鳴き声や蜂の羽の音ぐらいしか聞こえない静かな花畑が広がる素敵な場所だ。

 

この夏は、少し足を延ばして中部のYorkshire DalesのNational Parkへ訪れてみた。石灰岩Limestone が織りなす景色が特徴的。このDalesという言葉。Valleyと共に「谷」を指すが、Dalesはもう少しValleyに比べ落差が無い・・・らしい。確かにイングランドの風景は「まったいら」なので、渓谷のようなイメージは湧かない。

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さて、石灰岩と言えばやはり鍾乳洞である。なんとこの自然公園の中で鍾乳洞の洞窟見学が出来るのだ。中に入るとポタポタと水の滴る音とひんやりした冷気に包まれる。奥へ進むと、暗闇からぬっと紳士が現れた。うわああと叫びそうになったが、係の方で「昔はこの冷たい水の中にダイバーが入って探検した、云々」と丁寧に鍾乳洞について説明してくれた。洞窟の中で二手に分かれる道があるが、途中で道が封鎖されている。彼曰く、「あっちの道は未開拓なんだ。昔の人はダイナマイトで破壊して探索したりしたが、我々Cavemanとしてはその方法は賛同しかねる」とのこと。Caveman…という呼称があるのか。

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雨まじりの中、羊やヤギに囲まれてざくざく岩場や草原を歩く。"Middle of nowhere" (人里離れたど田舎。よくNativeが使う)を文字通り味わうことが出来た場所だった。

 

Royal Opera Houseでバレエを。Royal Albert Hallでクラシックを。

先週末はCovent GardenにあるRoyal Opera Houseでロミオとジュリエットのバレエを見てきた。去年は例の"C"の影響でオンラインストリームだったので、本格的な公演の再開は喜ばしいニュースだ。

ジュリエットを演じるのはロイヤルバレエ団所属の最高位のプリンシパルとして活躍している金子扶生さん。バレエ素人の私でさえも、華やかさと軽快さが舞台からよく伝わってきた。所作の美しいこと。背もたれにどっしり寄りかかって座っていた私の背筋も心なしかすっと伸びた。

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さて、Royal Opera Houseはこじんまりとした円形のホールで、Box seatsが充実した場所だ。別の王立系の建物で言えば、Royal Albert Hallも似ている。今年は夏の音楽祭Promsで行って来た。

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曲目はマーラー交響曲第五番。第四楽章アダージェットが大好きだ。激しめの第一、第二、第三楽章が終わって、アダージェットの静かなイントロが響く。観客が息を吸うのが聞こえる。隣の紳士の肩が強張るのがわかる。私はマスクで隠した顔がボロボロになる。「生」の大切さと、そしてこの日にベストを尽くすべく練習を重ねてきたであろうオーケストラの方々の思いを想像して、ただただ胸が熱くなった。

 

ロンドンでは、バレエやクラシック、オペラが人々の生活の中に溶け込んでいて、文化の一部となっている。仕事終わりにぷらっと見に行けるような気軽さも好きだ。さぁ次は何を鑑賞しょうか。