20か月ぶりの出張
"C"勃発前、最後の出張は2020年2月だった。
それ以降、我々は在宅勤務を始め、オンライン会議をNew Normalとして始めた。初めはITの問題があったが、徐々に慣れてきて、朝から晩までオンライン会議が当たり前になった。その方がいっそ効率的だとも思えていた中、遂に20か月ぶりに英国外での面談を行ってきたのだ。
Face to faceの面談を改めて実施してみてわかったのは、
1.表情や息遣いが示す相手の感情
2.出張形式で初めて可能となる、相手と長い時間共にすることで見えてくる本心
3.相手先のオフィスに訪れることで、短時間で多くの人と話せること
であり、オンライン会議は所詮暫定的なSolutionなのだ。
また、出張期間中時間を共にしてもらうことで、相手のCommitmentを引き出すことが可能となる。オンライン会議では、「次の会議があるから」と言ってさっといなくなってしまうことがあり、消化不良感があるが、物理的に一緒にいる以上相手を離さないことが出来る。更に、複数の人間と一度に腹を割って話せるので、相手の会社の方向性を多角的に捉えることも出来るのだ。
正直言って、Face to Face面談が出来たこの20か月ぶりの出張は、私の人生において記憶に残るものとなったと思う。
奇しくもこの出張の1週間前に行った、ロンドンの部署でのTeam Building Eventも刺激を与えてくれた。国連会議か、というぐらい他国籍の多様なBackgroundのメンバーに恵まれていることに気づかされたのだ。そして、様々な仲間と接する中で、浮かび上がってきたのが外から見た日本人の特徴だ。あくまで私の意見だが、日本人は英語がペラペラではない人が多いし、人と繋がるのが他の国の人間に比べて苦手。大雑把な言い方だが、「日本人は計算や分析が得意だが、寡黙で何考えているかよくわからない人が多い」と同僚から言われたこともある。
個性を否定するつもりはないが、ありのままの延長ではなく、自分たちの長所短所を理解した上で意識的に取り組まなくては、国際的なレベルの仕事は出来ない。ましてや極東島国の日本は、大陸続きの国々に比べ物理的にも、そして文化的理解にもハンデがあるのは当然。足繫く相手のいる場所へ運び、積極的に対話を続けるんだ、というMindsetを200%持って取り組む必要があると痛感した。
出張は骨が折れる。が、簡単に手に入れられるものは、簡単に手からすり抜けていくものだ。汗をかくというのは、こういうことか。