As London as possible

ロンドン駐在生活を200%楽しむ

お城に行ってみよう

イギリスは歴史的建築物の宝庫だ。意外と一般開放されているのも有難い。

 

今年経験したもので特に素晴らしかったのは、Buckingham Palaceのお庭ツアーだ。春先の限定公開で、写真撮影も部分的にしかできない。

 

Londonの真ん中にあるBuckingham Palaceは意外と大きな敷地で、あの有名なお城の裏には広大なガーデンが広がっている。専属庭師のトップが女王様と直接打ち合わせして、何を今年は植えようか、と決めているそう。周辺の高い建物の建設計画があった際は、女王様がお庭を歩いているのが上からのぞきこまれないように、大きな並木道を作ったとのこと。宮殿の裏には広い芝生が広がっていて、来賓を招くガーデンパーティに向けて、きっちり緑と長さを保つのが大変・・・でも女王様としては、自分の敷地をゲストに最高の状態でお見せするのがおもてなし、だとか。

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様々な種類の草木が贅沢に植えられていた。冷涼なイギリスにも拘わらず、バナナの木でさえもあった笑 ところどころにベンチもあって、この景色をゆっくり見られるのなんて素敵。木も古く背の高いものばかりで、森のように感じるところもあった。昼間だったのに狐もいた。

 

 

他にも、London郊外にあるHever Castleにこの夏は宿泊してみた。このお城は、Henry 8世と結婚したAnne Boleynのお屋敷だ。周りは牧草地で、お城自体はこじんまりとしているも、敷地内に立派な庭園と湖が広がっている。

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かの歴史上の人物がここで生活していたのか。現存していることが奇跡だ。このお城に泊まると、一般開放の時間の前後にゆっくり見学出来る。夕焼けに染まるお城を見られたのは、宿泊したからこその経験だ。

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イギリスの建物、歴史を知っていくとより多面的にこの国のことがわかって面白い。

イギリスのクリスマスソング

只今ロンドンは、クリスマスモード100%である。オフィスも、デスクにクリスマスツリー置かれ、キャビネットには靴下が飾られている。プリンターにモールが巻かれている様子には思わず笑ってしまった。

 

会社の忘年会も「ジーザスもこんなに皆にお祝いされているとは思っていないだろう!Cheers!」というメッセージとともに乾杯した。

 

(他の宗教の人もいるでしょうに・・・)

 

街は沢山のライトアップで、東京と比べものにならないほどの眩しさ。クリスマスソングが流れ、人々の笑顔がはじけている。

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今日は自分の好きな英国関連クリスマスソングを紹介する。

 

LAST CHRISTMAS

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あまりにも有名で説明は不要であろう。Wham!はイギリス生まれの二人組。この曲自体は、未練たらたらの歌詞で切ない内容なのに、なぜか「クリスマスだ!」というわくわくした気分にさせてくれるから、条件反射は恐ろしい。

 

DRIVING HOME CHRISTMAS

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イギリス人歌手のChris Reaの渋い声が沁みる。「あぁ家に帰りたいな」という気持ちにさせてくれる。と同時に、クリスマスは家族と過ごす大切な時間で楽しみな気持ちで家路へと急ぐのだろう、と想像する。

 

WONDERFUL CHRISTMASTIME

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Sir Paul McCartneyによるクリスマスソング。素朴だけど、寒くて暗くて雨が降るロンドンの冬にはぴったりの気持ちが温かくなる曲。

 

 

 

浮かれポンチモードも、つかの間。昨日の首相会見でWorking from homeを要請されたので、13日から再びEveryday在宅勤務が始まる。クリスマスソングを聴いて、気分を盛り上げていこうと思う。

Lovely City London (Temple編)

ロンドンの中心地にTempleという場所がある。駅名を初めて見て「寺?!」と思ったが、騎士修道会である「Temple騎士団」に由来するものと後にわかった。騎士団が建てたTemple教会は、その後法曹界の建物として活用され、そしてこの地区は法曹界の関連の街と化していった。

 

歴史あるこの街は、探検に最適だ。

 

かの名言「ロンドンに飽きた者は人生に飽きた者だ  “You find no man, at all intellectual, who is willing to leave London. Sir, when a man is tired of London, he is tired of life; for there is in London all that life can afford.”」を残したSamuel Johnsonは18世紀に近代英語辞典を作成した人だ。ユーモラスでいつも社交界の中心にいたという。Templeには彼の住居がまだ残っており、またその近くには可愛がっていたという猫の像までもある。猫に与えていたという牡蠣までブロンズ像の一味になっているが、やれやれ、グルメな猫だ。

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Templeには他にも、私も日本でよく飲んだ紅茶のTwiningの創業以来の店舗もある。Thomas TwiningがTom's Coffee Houseをこの地区で始め、次に紅茶専門店を初めたことがきっかけ。上流階級向けに特別にブレンドされていた高価な紅茶も、関税引き下げや人気爆発によって、こうして今日のように誰もが楽しめる飲み物に変わった。

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ここの店舗では紅茶のマスタークラスを開催しており、更に、オリジナルのブレンドをさせてくれる。2年前に私もオリジナルのブレンドティーを作りに行った。お店で「これは渾身の出来!」と思っても、オフィスや自宅で飲むと、「あれ?パンチがないな」と印象が変わったのが不思議。どの場面で飲んでもぶれないおいしさである点もきっとプロのコツなのであろう。

 

 

Fleet Street沿いに東に進むと、Ye Olde Cheshire Cheeseというパブがある。これまた目立たない細い路地を入ったところにある。ここは1538年創業でCharles DickensやMark Twainも通ったという歴史あるお店だ。昔も今も人々はここで”水飲み” (Watering-hole、この英単語、私のツボ。動物の水飲み場をさしているのに、気楽なバーのことも指すらしい)しているのだな。

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これらのエリアを探検に行ってみてわかった。路地、謎の扉、狭い曲がりくねった道を入ったあとに、中庭が突如現れ・・・と、この街は歴史と秘密のにおいがプンプンする。"C"の期間中、観光客がいなく静かなTempleをゆっくり回ることが出来た。建物の色、石、煉瓦、苔をじっくり見たり、狭い路地に吹き込む風を受けたり、五感で歴史の流れを感じられた貴重な経験だった。

 

 

Pretty City London (Bridge編)

運河と共に発展してきたロンドン。テムズ川は想像以上に蛇行している。川幅も思ったより狭い。満潮の時は天候次第では道路に水が溢れたり、干潮のときは干潟と化す。様々な表情を見せるテムズ川を見ていると、まるで生き物を見ているかのようだ。

 

テムズ川を跨ぐように数多くの橋があるのが、Londonの風景だ。新しい橋もあるが、1800年代に出来たものもある。お気に入りの美しい橋を紹介しよう。

 

1.Albert Bridge

ChelseaとBatterseaの間を結ぶ、パステルカラーの橋は、1873年にアルバート公にちなんで設立された。Chelseaには軍事施設もあったが、この橋は設計不良のせいで良く揺れたそうで、部隊は行進を止めないといけなかったとのこと。今でもその禁止文句は橋に掲げられている。とはいえ、4,000個ほどのライトが八角形の星のデザインとともに輝く姿はため息をつく美しさ。多くの人が足を止めて写真に収める場所でもある。

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ブログの背景やアイコンにも使用させてもらった私にとっても思い出深い橋。実は小学生の時イギリスに旅行したことがあり、その際The Thamesというテムズ川の写真集のカレンダーを買ったのだ。我ながら渋い。。その中で一番好きだった2月の写真がまさにAlbert Bridgeで、London着任後実際目にして、点と点が結ばれたときの嬉しさといったらもう。

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2.Hammersmith Bridge

Chelseaからさらに西に行った地区、Hammersmithと南のBarnesと結ぶ緑色の橋は、これまた1887年完成と歴史的建造物。本日サイクリングで寄ってみたが、「This bridge is too weak」と張り紙とともに、補強工事がされ通行止めとなっていた。今年7月から自転車と歩行者のみ通行可能になったそうだが、曰く「本当に崩落する可能性がある」と。イギリスの古いものを大切にする文化は好きだが、ロンドンは補強工事のオンパレードだなぁと改めて思った。

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3.Tower Bridge

ロンドンのアイコンと言えばこれ!この橋を渡っていると、「あぁ自分はLondonにいるんだな」と思わせてくれる。1894年完成。シャーロックホームズの映画を見ていると、既に存在していることに驚いた。あるとき、大型帆船が来て、橋の真ん中が上がるのを見たことがある。今も動くのか…

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日本より気象が穏やかななのかもしれない。これほど古い橋が今でも現役で働いているのだから。ロンドン以外の橋も探しに行ってみようと思う。

 

 

 

Pretty City London (Belgravia編)

Hyde ParkとSt.James Parkの間、ハロッズのあるKnights Bridgeとの間の地区のことをBelgraviaと言う。

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(すこし古い写真だが)

 

この地区はLondonの中でも特にお気に入りの場所だ。Buckingham Palaceにも近く、それでいて静かで、おしゃれなお店が立ち並ぶ。勿論ブティック街のあるSloane St.は華やかだが、メインストリートでないところに、小さな可愛いお店があって、それがまた良い。

 

貴族のGrosvenor家の土地で、歴史的にはThomas Cubittが、もう一つの高級なエリアであるMayfairと共に都市開発しただけあって、よく整備されている。

 

まずは、Belgraviaの南側のお店から紹介しよう。

1.Tomtom

コーヒー屋さん。Tomtomシリーズのお店は他に、葉巻屋やカフェも同じ地区で運営している。色々コーヒーショップを試してみたが、ここが一番美味しい。だが、待つ!

夏の暑い日に飲む香り豊かなアイスラテは、特別な安らぎの時間を与えてくれる。

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2.Moyses Stevens

チェーン店のお花屋さんだが、ここは変わったお花も揃えている。私はたまに「10ポンドでお任せ」ブーケを作って貰う。自分では思いつかない組み合わせがわくわくして好きだ。

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3.Olivomare

サルディーニャレストラン。Olivo系列は近所にも他にあるが、海鮮系に特化したここのお店は特に好き。お気に入りはカラスミのパスタ。あのMaggie Smithも常連さんだとか。

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次は、北側のお店だ。

4.The Fine Cheese Co

Bathに本店があるチーズ屋さん。クオリティの良い多種多様なチーズなリーズナブルなお値段で提供されている。チーズに合わせるクラッカーはたまに日本でも売っているのを見たことがある。

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お店の裏口は広場になっていて、夏はパラソルの下、プロセッコとチーズなんて昼から楽しめてしまう。

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5.Ottolenghi

中東系のデリ。ロンドン市内には複数のレストランもあり、大人気。ナスとザクロのサラダ、フェンネルとオレンジとゴマのサラダ、オレンジと柚子のフィナンシェケーキ…どこかありそうでない組み合わせが良い。

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6.Rococo Chocolates

ここのチョコレートは王道も良いが、Lapsang Souchong Tea というスモークティと組み合わせたチョコや、Moroccan Mintとのチョコも新鮮。ふらっと立ち寄って飲むホットチョコレートも冬ならではの楽しみだ。

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まだまだお気に入りの場所やお店もある。更に新しいお店も増えているというのだから、この街の魅力は語りつくせない。

 

王立植物園 Kew Gardens

 

ロンドンの中心部の所謂観光地、ではないけれど、イギリスらしさが感じられるところとして、Kew Gardensをお勧めしたい。

 

Richmondというテムズ川沿いの高級住宅街のそばにあるこの王立植物園は、広大な敷地に温室、種保存研究所から、森、池、宮殿、と様々なものが詰め込まれたところだ。英国の「探索と植民地化」の歴史がここでも見られ、世界各地から集められた珍しい植物が栽培され、研究もされている。

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四季それぞれ全く違う表情を見せるだけに、いつ行っても面白い。

 

例えば、春。まだ寒い頃、Blue Bellという美しい花が一度に咲く時期がある。

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ミモザの大木がふさふさの黄色のボンボンを付ける時期も素敵だ。

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秋、道に落ちたポプラの葉っぱをざくざく踏み分けていく季節もそれはそれでよい。真っ赤な実と、それを狙う小鳥たちのさえずりが、静かな秋を賑やかにしてくれる。

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そして最後お土産屋さんで毎度買うのが、植物の本。今読んでいるのは、魔法(?)や薬として使われてきた植物について。それが終わったらトニックウォーターの元となるキニーネについての本が待っており、楽しみだ。先週末はEnglish Gardenについての本を買ってみた。次にどこの庭園を訪れるか、アイディアを貰うつもり。

鉛色の空の上

またもや出張で、やっとロンドンに帰ってきた。着陸すると、フランス語圏だった機内から、ボーディングブリッジに足を踏み入れた途端、いつものヒースロー空港だ。それを感じると少しホッとする。

 

街は、あんなに美しかった紅葉が落葉してしまったところが多く、代わりにクリスマスライトアップが少しずつ増えてきた様子だ。鉛色の空、16時には真っ暗の冬のロンドンだ。

 

さて、今回往路は夕方の便だったのだが、同様に曇天の中出発。しかし、離陸して少し高度が上がって見えたのは、雲海と眩しいほどの夕焼けだった。

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どんなに曇りでも太陽は常に照らし続けているんだよなぁ。

 

"Every cloud has a silver lining" (どんな悪いことにも良い面がある)という諺を思い出した。