Lockdownのロンドン 振り返り
世界有数の観光名所ロンドンで、例の"C"で2020年-2021年で観光客がいない静寂に包まれた時間を過ごしたことは、最初で最後の経験であろう(であってほしい!)。特に制限が厳しかった2020年の春-夏をこの機会に振り返ろうと思う。
あれよあれよと感染が広がり、在宅勤務をトライアルで開始したのが3月前半。私は自動車を持っていなかったので、同僚が食料品の入った段ボールひと箱をわざわざ車で自宅に届けてくれたけれど、感染を警戒して面と向かっての会話は1分と出来なかった(そのあと電話した)。そしてその翌日からロックダウンに入った。
一日一回の運動と最低限の買い物だけしかできない日々となった。街を歩いても、パブ、レストラン、カフェ、ありとあらゆるお店が閉まり、Takeawayのお店がかろうじて開けてくれている程度。とても静か。バスも殆ど人が乗っていない。心なしか空気も良く、例年以上に青空が多かった2020年春。
高級ブティックが並ぶ、Old Bond Streetも誰もいない。
2020年5月に漸くFortnum & Masonが食料品売り場だけ開店してくれた時は、本当に嬉しくて、お店の人に何度も御礼を言った。店員さんも「We are so excited to come back!」と言っていて、じーんとした。
5月26日に米国で起きたGeorge Floydの事件を発端に世界的に広がったBlack Lives Mattersの抗議デモ。ロンドンでも、米国大使館からWestminsterを中心にデモ行進が起きた。自宅にいても、"Black lives matters!"や"I can't breathe"、"No justice No peace"の叫び声は帯となってハッキリと聞こえ、人々の思いが空気を伝わって響いていた。
Black Lives Mattersの殴り書きがされたVictoriaの建物。数日後にはきれいに消されていた。
このころには、Cに対する活動制限に対する抗議活動も活発になり(マスクをしない権利等…)Westminster周辺は道路が封鎖されていた。
7月には屋外で限られた人数であれば集まることが出来た。Holland Parkでは屋外オペラが開かれ、こうした「生」を聴けることが本当にありがたいことだと痛感した。この頃友人とHyde Parkでピクニックしたが、久しぶりの対面で、人との距離感に戸惑ったことは今だから認められる。
寒空の下、ダウンコートにホッカイロを貼ってピクニックをしたのが懐かしい。
今は暖かいお店の中でクリスマスパーティを大人数で開けるほどの違いだ。ついつい有難みを忘れがちだが、人と直接会って話せることは素晴らしいことだ。
"C"の経験でわかったのは、Now or neverということ。ぐずぐず先延ばしすると、もうチャンスがないかもしない。一日一日、一つずつの経験を大事にするということ。体調管理をすること、無理・無茶をしないこと!他の方への配慮を忘れないこと!!2021年の反省と来年への抱負もかねて、ここに残しておく。